オミクロン株(奥密克戎)に「葛根湯+小柴胡湯加桔梗石膏」が有用な可能性!
发布时间:2022年02月01日 【打印】【关闭】
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みさとファミリークリニック院長松田先生の臨床データによりますと、柴葛解肌湯(さいかつげきとう)、すなわち葛根湯(かっこんとう)と小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうききょうせっこう)の併用によって、約85%の症例で投与後24時間以内に解熱し、症状が軽快しました。
77人にPCR検査を実施し、37人が陽性(陽性率48.0%)だった。以下、SARS-CoV-2陽性だった37人のデータ。
【年齢】2~79歳、平均年齢24.3±16.6歳、中央値18歳
【男女比】女性17人、男性20人
【体温】36.2~40.0℃、平均38.3+1.0℃、中央値38.3℃
【デルタ株変異】陰性24人、判定不能13人
【使用した漢方薬】
大青竜湯(麻黄湯[7.5g/日]+越婢加朮湯[7.5g/日]):3人
麻黄湯(年齢に応じた規定量):2人
葛根湯(年齢に応じた規定量):3人
柴葛解肌湯(葛根湯[7.5g/日]+小柴胡湯加桔梗石膏[7.5g/日]):29人
※年齢に応じた規定量(麻黄湯・葛根湯)
・2歳~4歳未満:成人量(7.5g/日)の3分の1
・4歳~7歳未満:成人量の2分の1
【治療経過】
投与後24時間以内に解熱、症状軽快した症例が37人中32人(86.5%)
【考察】
SARS-CoV-2陽性となった全員がデルタ株変異陰性および判定不能であり、全例がオミクロン株であったと推察されます。実際、家族内感染であっても、変異株陰性と判定不能が混在しているケースが数例あることも、この推論を支持していると思われます。
大半の症例で柴葛解肌湯が著効しました。12歳以上、あるいは体重が50kg以上あれば、成人量の投与によってより効果が高まった印象があります。一方、著効しない症例の多くは体重が80kg以上ある成人でした。こうした場合は柴葛解肌湯の増量、あるいは発汗せずに悪寒が強い症例では、積極的に大青竜湯などの使用が勧められます。
デルタ株までの症例でも同様に柴葛解肌湯を使用していましたが、解熱・症状軽快まで3日程度は要していました。一方、オミクロン株流行以降では、1日で症状が軽快する例が大半でした。この現象は、COVID-19が感冒に移行していることを示唆するものであると私は考えています。
なお、1月19日には1日でPCR検査を54例実施しており、濃厚接触者の検査も増えていることから、今後は、診療を優先した上でデータ解析を継続するのは厳しいと考えています。取り急ぎ、オミクロン株流行初期のデータをまとめて報告した次第です。あくまでも短期間かつ少数の自験例の報告であり、患者背景や診療環境が変わってもこれほどの有用性を実感できるかまでは分かりませんが、個人的にはオミクロン株の流行期において柴葛解肌湯は心強い武器になると確信しています。第6波の真っただ中で奮闘されている先生方のご参考になれば幸いです。
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